糖尿病の障害年金認定基準|血糖・合併症の評価を社労士が解説
「糖尿病なら障害年金を申請できるのでしょうか」
「HbA1cが高ければ認定されますか」
「腎症や網膜症は、どの基準で見られますか」
糖尿病の認定は、病名や一度の血糖値だけでは決まりません。治療内容、血糖コントロールの困難さ、合併症、日常生活や仕事への制限を資料全体で確認します。
✅ この記事で分かること
- 糖尿病の障害年金認定基準
- 3級の具体的な確認項目
- 合併症がある場合の評価方法
- 初診日と加入制度の重要性
- 申請書類で伝えるべき内容
💡 この記事の結論
糖尿病でも、治療を続けても血糖コントロールが困難で、生活や労働に一定の制限がある場合は障害年金の対象となる可能性があります。腎症・網膜症・神経障害などは、それぞれの障害に対応する基準でも評価されます。
糖尿病の障害年金認定基準は総合評価です
日本年金機構の障害認定基準では、代謝疾患について、合併症の有無と程度、代謝のコントロール状態、治療・症状の経過、具体的な日常生活状況を十分に考慮して総合認定するとされています。1級は日常生活を自力で送ることができない程度、2級は日常生活に著しい制限が必要な程度、3級は労働に制限が必要な程度が基本です。
ただし、障害基礎年金には1級・2級しかありません。3級は、糖尿病の初診日に厚生年金へ加入していた場合の障害厚生年金で問題になります。
血糖コントロール困難として3級が検討される条件
必要なインスリン治療を検査日前に90日以上継続していることを確認でき、次のいずれかと一般状態区分表の「イ」または「ウ」に該当する場合、3級認定が検討されます。
- 空腹時または随時の血清Cペプチド値が0.3ng/mL未満
- 自己回復できない重症低血糖が平均して月1回以上
- 糖尿病ケトアシドーシスまたは高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上
数値や回数だけでなく、軽労働の可否、介助の有無、日中の活動状況も確認されます。症状、検査成績、生活状況によっては上位等級となる可能性もあります。
糖尿病の合併症は別の認定基準で評価されます
| 合併症 | 主な評価基準 | 確認される内容 |
|---|---|---|
| 糖尿病性網膜症 | 眼の障害 | 矯正視力、視野検査 |
| 糖尿病性腎症 | 腎疾患 | 腎機能、一般状態、透析 |
| 糖尿病性神経障害 | 神経系統 | 激痛、知覚障害、自律神経症状、生活制限 |
| 糖尿病性壊疽 | 肢体の障害 | 切断、運動機能、歩行・動作 |
たとえば人工透析中なら原則2級として扱われます。複数の合併症があるときも、単純に等級を足すのではなく、各障害の状態と併合等認定基準を確認します。
糖尿病で障害年金を申請するポイント
初診日を糖尿病の経過から整理する
現在の合併症だけでなく、その原因となった糖尿病の初診日が問題になることがあります。健診で異常を指摘された日ではなく、その傷病について初めて医師の診療を受けた日を、紹介状やカルテなどから整理します。
診断書と申立書の内容を合わせる
検査値、低血糖の頻度、入院歴だけでなく、通勤、食事管理、服薬・注射、家事、外出、勤務上の配慮を具体化します。「働いている」「家事ができる」だけでは実際の負担が伝わらないため、休憩や欠勤、家族の援助も記載します。
糖尿病の障害年金に関するよくあるご質問
Q1. HbA1cが高いだけで認定されますか?
HbA1cだけで認定は決まりません。必要なインスリン治療、Cペプチド、重症低血糖、入院歴、一般状態、合併症などを総合的に確認します。
Q2. インスリン注射をしていれば3級ですか?
注射をしている事実だけでは足りません。90日以上の必要な治療に加え、認定基準に定める状態と生活・労働上の制限が必要です。
Q3. 2型糖尿病も対象ですか?
対象となる可能性があります。病型名より、認定時の症状、治療、検査結果、合併症、生活状況が重要です。
Q4. 合併症がなければ申請できませんか?
合併症がなくても、血糖コントロール困難の基準に該当すれば検討できます。ただし病名だけではなく具体的な基準を満たす必要があります。
Q5. 働いていると受給できませんか?
就労だけで不支給とは限りません。仕事内容、勤務時間、欠勤、職場の援助や配慮などを含め、実際の労働制限が見られます。
Q6. 初診日が古くカルテがありません。
直ちに請求不能とは限りません。受診状況等証明書が添付できない申立書や紹介状、診察券など、利用できる資料を個別に検討します。
Q7. どの診断書を使いますか?
糖尿病そのものは腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用が基本です。主な障害が眼や肢体などの場合は、該当する別様式を使用することがあります。
福岡市中央区平尾の本社、博多駅直結の相談会場で面談に対応しています。あひる社会保険労務士法人の代表社労士・野田大吾郎が、治療経過と生活状況を整理します。
最終更新日 5日 ago
投稿者プロフィール

- 特定社会保険労務士_全国社会保険労務士連合会 第40190102号
-
障害年金は、身体障害をはじめ、知的障害、うつ病・統合失調症などの精神疾患、ガン・脳血管疾患・心疾患・糖尿病など、ケガや病気により生活や仕事に不自由のある方を対象とした制度です。
しかしながら、本来であれば受け取る権利があるにもかかわらず、認知度の低さや受給手続きの複雑さから途中で手続きをあきらめてしまったりなど、「障害年金制度」の役割を果たせておらず、多くの方々が受給に至っていないのが現状です。
そこで『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。
もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。
そして、障害年金の受給へ向けて一緒に考えていきましょう!
最新の投稿
- 9月 18, 2026コラム統合失調症の障害年金診断書|確認すべき項目と注意点を社労士が解説
- 9月 18, 2026コラム統合失調症の障害年金|1級・2級・3級の認定目安を社労士が解説
- 9月 16, 2026コラムうつ病で月の半分しか働けないときの生活費と支援制度について社労士が解説
- 9月 16, 2026コラムうつ病で傷病手当金と障害年金は同時受給できる?条件について社労士が解説

初めての方へ
