糖尿病で働きながら障害年金を受給する際の注意点を社労士が解説
「糖尿病の治療をしながら働いていると対象外ですか」
「短時間勤務や職場の配慮は審査で伝えるべきですか」
「受給後に収入が増えると停止されますか」
障害年金は、働いているという一事だけで支給・不支給が決まる制度ではありません。糖尿病の認定基準と、実際の生活・労働制限を資料で示すことが重要です。
✅ この記事で分かること
- 就労中でも申請できる理由
- 審査で確認される勤務実態
- 職場の配慮の伝え方
- 20歳前傷病の所得制限
- 更新時に注意すること
💡 この記事の結論
糖尿病治療をしながら働いていても、認定基準に該当し、生活や労働に必要な制限があれば障害年金を受給できる可能性があります。勤務時間だけでなく、休憩、欠勤、業務変更、周囲の援助を具体的に説明します。
糖尿病で働いていても障害年金は申請できます
障害年金は病気によって生活や仕事が制限される方を対象とする公的年金です。雇用されていること、給与を得ていることだけを理由に直ちに対象外となるわけではありません。一方、フルタイムで特段の配慮なく安定勤務できている場合は、生活・労働の制限が軽いと判断される材料になる可能性があります。
糖尿病そのものでは、必要なインスリン治療を90日以上継続し、Cペプチド、自己回復できない重症低血糖、ケトアシドーシス等による入院と一般状態の組合せが確認されます。腎症、網膜症、神経障害などは各障害の基準で評価します。
審査では「働けている理由」まで具体的に伝えます
| 確認項目 | 具体例 |
|---|---|
| 勤務時間 | 短時間勤務、遅刻・早退、在宅勤務 |
| 欠勤等 | 低血糖、受診、透析、入院による休み |
| 業務内容 | 運転・高所作業の免除、軽作業への変更 |
| 職場の援助 | 休憩、補食、注射場所、同僚の見守り |
| 帰宅後 | 疲労で家事不能、家族による食事・服薬管理 |
会社名や肩書だけでは実態は分かりません。障害者雇用か一般雇用か、配置転換前後で何が変わったか、支援がなければ勤務を続けられるかまで整理します。
診断書と申立書に就労実態を反映します
診断書の就労欄には、職種、勤務状況、配慮等を正確に記載してもらいます。病歴・就労状況等申立書では、発症前の働き方と現在を比較し、低血糖対応、通院、合併症による制限を年月順に説明します。
「正社員だから問題ない」「パートだから重い」と単純化せず、実労働時間、月の欠勤日数、業務遂行の援助など、客観的に説明できる事実を集めます。勤務表、就業上の配慮を示す資料、家族の援助内容も整理に役立ちます。
受給後の就労・所得・更新の注意点
一般の障害年金に、給与額だけで一律に停止する仕組みはありません。ただし障害状態確認届による更新では、症状や就労状況が再確認され、状態が軽くなれば等級変更や支給停止となる可能性があります。
例外として、20歳前に初診日がある傷病による障害基礎年金には本人所得による支給制限があります。就労の可否を評価する審査と、所得額による支給制限は別の仕組みです。前年所得と扶養親族等に応じた最新基準を確認してください。
糖尿病と就労・障害年金のよくあるご質問
Q1. 正社員でも申請できますか?
申請できます。雇用形態だけでなく、認定基準への該当と実際の労働制限を確認します。
Q2. フルタイム勤務だと不支給ですか?
一律に不支給ではありません。安定性、欠勤、業務内容、配慮、合併症などを総合的に見ます。
Q3. 会社に受給を知られますか?
通常、年金機構から勤務先へ受給決定を通知する手続きではありません。勤務資料を会社へ依頼する場合は情報の扱いを確認します。
Q4. 給与が高いと停止されますか?
一般の障害年金は給与だけで一律停止されません。ただし20歳前傷病の障害基礎年金には本人所得による制限があります。
Q5. 職場の配慮はどう証明しますか?
診断書・申立書に具体的に記載します。勤務表や会社の配慮内容が分かる資料も補足になり得ます。
Q6. 退職してから申請した方がよいですか?
受給目的だけで退職を急ぐ必要はありません。健康と生活を優先し、現在の状態で要件を確認してください。
Q7. 受給後に勤務時間を増やせますか?
働くこと自体は禁止されていません。更新時には症状と勤務実態を正確に申告し、所得制限がある場合は別途確認します。
あひる社会保険労務士法人の代表社労士・野田大吾郎が、福岡市平尾・博多駅の相談拠点またはオンラインで対応します。
最終更新日 5日 ago
投稿者プロフィール

- 特定社会保険労務士_全国社会保険労務士連合会 第40190102号
-
障害年金は、身体障害をはじめ、知的障害、うつ病・統合失調症などの精神疾患、ガン・脳血管疾患・心疾患・糖尿病など、ケガや病気により生活や仕事に不自由のある方を対象とした制度です。
しかしながら、本来であれば受け取る権利があるにもかかわらず、認知度の低さや受給手続きの複雑さから途中で手続きをあきらめてしまったりなど、「障害年金制度」の役割を果たせておらず、多くの方々が受給に至っていないのが現状です。
そこで『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。
もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。
そして、障害年金の受給へ向けて一緒に考えていきましょう!
最新の投稿
- 9月 18, 2026コラム統合失調症の障害年金診断書|確認すべき項目と注意点を社労士が解説
- 9月 18, 2026コラム統合失調症の障害年金|1級・2級・3級の認定目安を社労士が解説
- 9月 16, 2026コラムうつ病で月の半分しか働けないときの生活費と支援制度について社労士が解説
- 9月 16, 2026コラムうつ病で傷病手当金と障害年金は同時受給できる?条件について社労士が解説

初めての方へ
