がんの傷病手当金と障害年金|併用時の調整・返還を社労士が解説
「傷病手当金と障害年金は両方受け取れますか」
「同じがんで申請すると返還が必要ですか」
「どちらを先に手続きすべきか分かりません」
傷病手当金と障害年金は目的と支給機関が異なりますが、同じ傷病による障害厚生年金等と期間が重なる場合は調整があります。単純な二重受給とは考えないことが大切です。
✅ この記事で分かること
- 傷病手当金と障害年金の違い
- 同一傷病での支給調整
- 差額支給と返還の可能性
- 異なる傷病の場合の考え方
- 申請前に確認する資料
💡 この記事の結論
同じがんを理由とする傷病手当金と障害厚生年金等の対象期間が重なると、原則として傷病手当金が調整されます。年金の日額換算額が傷病手当金より少ない場合は差額が支給されるため、受給期間と金額を健康保険へ確認します。
傷病手当金と障害年金は制度の目的が異なります
| 制度 | 主な役割 | 主な窓口 |
|---|---|---|
| 傷病手当金 | 業務外の病気やけがで仕事を休み、給与を受けられない期間の所得保障 | 加入する健康保険 |
| 障害年金 | 病気やけがによる長期的な生活・労働上の制限への所得保障 | 年金事務所等 |
要件と審査資料が異なるため、傷病手当金を受けているだけで障害年金が認定されるわけではありません。
同じ傷病による障害厚生年金等とは支給調整されます
傷病手当金の支給期間に、同一の傷病による障害厚生年金または障害手当金を受ける場合、傷病手当金は原則として支給されません。ただし、障害年金の日額換算額が傷病手当金の日額より少ないときは、その差額が支給されます。
障害厚生年金に障害基礎年金が加わる場合の計算も含め、健康保険へ確認します。
障害年金が遡及認定されると返還が生じる場合があります
障害年金が過去に遡って決定され、その期間に傷病手当金を受けていた場合、重複期間について健康保険から返還を求められることがあります。まとまった年金が入金されても、調整額を確認するまで全額を使わない方が安全です。
年金証書、支給額変更通知書、傷病手当金の支給決定通知を保管します。
異なる傷病なら調整されないことがあります
障害年金の原因傷病と、傷病手当金の支給原因が別の傷病である場合、同一傷病による調整に当たらないことがあります。ただし、医学的・制度的に別傷病と扱えるかは名称だけで判断できません。
例えば、がんと治療後の症状の関係など、保険者が確認できる資料を揃えます。
申請前に期間と金額を一覧化します
- 傷病手当金の支給開始日・終了日・日額
- 障害年金の初診日・障害認定日・請求日
- 年金の対象となる傷病名
- 傷病手当金の対象となる傷病名
- 給与や他の給付の支給状況
調整は個別計算になるため、加入する健康保険へ資料を示して確認します。
がんの障害年金を申請する基本的な流れ
STEP1 初診日の確認:がんに関する最初の受診先と受診日を、紹介状、診療録、検査資料などから確認します。
STEP2 納付要件と認定日の確認:初診日の加入制度と保険料納付状況を確認し、原則の1年6か月後または各障害の特例日を整理します。
STEP3 診断書の準備:がんの部位と主な障害に合う診断書様式を選び、治療経過、検査結果、一般状態、日常生活と就労への影響を主治医へ共有します。
STEP4 申立書と請求書の作成:発症から現在までを時系列に整理し、診断書と矛盾しない病歴・就労状況等申立書を作成します。体調が厳しい場合は、ご家族や専門家の支援を受けながら進めても問題ありません。
よくあるご質問
Q1. 傷病手当金と障害年金は必ずどちらか一方ですか
必ず一方とは限りません。同一傷病・同一期間では金額調整が行われます。
Q2. 障害基礎年金だけでも調整されますか
一般の傷病手当金では障害厚生年金等との調整が基本です。加入保険へ個別確認してください。
Q3. 別の病気なら両方受け取れますか
異なる傷病なら調整されない場合がありますが、傷病の関連性を保険者が確認します。
Q4. 障害年金が遡及すると返還ですか
重複期間と金額によって返還が生じることがあります。決定後すぐ健康保険へ連絡します。
Q5. 傷病手当金の終了後に障害年金を申請できますか
申請は可能です。障害認定日や事後重症請求の時期を逃さないよう準備します。
Q6. 会社を退職後も傷病手当金を受けている場合は同じですか
資格喪失後の継続給付でも、障害厚生年金等との調整を確認する必要があります。
Q7. 誰に調整額を確認すればよいですか
協会けんぽ、健康保険組合など傷病手当金を支給する保険者へ確認します。
あひる社会保険労務士法人では、代表社労士・野田大吾郎をはじめ障害年金を扱うスタッフが、診療経過と生活・就労上の支障を一緒に整理します。福岡市中央区平尾の本社、JR博多駅直結の相談会場のほか、電話・LINE・オンラインでも相談できます。
最終更新日 4日 ago
投稿者プロフィール

- 特定社会保険労務士_全国社会保険労務士連合会 第40190102号
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障害年金は、身体障害をはじめ、知的障害、うつ病・統合失調症などの精神疾患、ガン・脳血管疾患・心疾患・糖尿病など、ケガや病気により生活や仕事に不自由のある方を対象とした制度です。
しかしながら、本来であれば受け取る権利があるにもかかわらず、認知度の低さや受給手続きの複雑さから途中で手続きをあきらめてしまったりなど、「障害年金制度」の役割を果たせておらず、多くの方々が受給に至っていないのが現状です。
そこで『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。
もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。
そして、障害年金の受給へ向けて一緒に考えていきましょう!
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