カルテが破棄されている場合の障害年金遡及請求の対処法
「昔のカルテが破棄されていました」
「初診日と認定日のどちらが証明できないのか分かりません」
「代わりの資料で遡及請求できますか」
「カルテがない」と分かったときは、初診日の証明ができないのか、障害認定日当時の状態を示せないのかを分けます。同じカルテ廃棄でも、問題となる要件と代替資料が異なります。
✅ この記事で分かること
- ✅ 初診日カルテと認定日カルテの違い
- ✅ 医療機関へ追加確認する項目
- ✅ 初診日の代替資料
- ✅ 認定日診断書が作れない場合
- ✅ 事後重症請求の検討
💡 この記事の結論
カルテが破棄されていても、直ちにすべての請求を諦める必要はありません。ただし、初診日の証明には代替資料を検討できる一方、認定日当時の医学的記録がなく診断書を作れない場合、遡及請求は非常に難しくなります。
まず「どの時点のカルテがないか」を分けます
| 不足している記録 | 主な問題 |
|---|---|
| 初診時のカルテ | 初診日と当時の加入制度を証明しにくい |
| 障害認定日頃のカルテ | 認定日当時の障害等級を診断書で示しにくい |
初診と認定日が同じ病院とは限りません。通院歴を時系列にして、どの医療機関の何年頃の記録が必要か確認します。
カルテ以外の記録が残っていないか確認します
紙カルテが廃棄されていても、紹介状の控え、退院時要約、検査画像、診断書の控え、電子データ、医事会計記録などが残っている場合があります。単に「カルテなし」で終えず、どの資料がいつまで保存されているか医療機関へ確認します。
廃院の場合は、承継先や管理者に記録が引き継がれていないかも調べます。
初診日は客観資料と申立書を組み合わせます
受診状況等証明書が取れない場合は、その理由を記す所定の申立書を使い、診察券、領収書、お薬手帳、健康保険の給付記録、紹介状、健康診断記録などを検討します。一定の場合は第三者証明が資料となることもあります。
使える資料や求められる組合せは、初診時期などで異なるため個別確認が必要です。
認定日診断書は本人の申立てだけでは代替できません
遡及請求では、障害認定日当時の障害状態を医学的に示す必要があります。本人や家族の申立書は重要ですが、それだけで医師の診断書の役割を置き換えるものではありません。
当時の記録を基に医師が診断書を作成できない場合は、遡及分の認定が難しくなることを踏まえて方針を検討します。
現在の状態で事後重症請求を先に検討する場合があります
認定日当時の資料が不足していても、現在の障害状態が基準に該当するなら、事後重症請求を検討できます。事後重症は原則として請求日の翌月分からなので、過去資料の調査だけで現在分の請求を遅らせない判断も重要です。
障害年金の遡及請求を検討する基本手順
STEP1 初診日を特定:現在の傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を確認します。初診日は加入制度、保険料納付要件、障害認定日の起点を決めます。
STEP2 障害認定日を確認:原則は初診日から1年6か月を経過した日です。人工透析や人工関節など、傷病・治療によって認定時期の特例があるため個別に確認します。
STEP3 当時の記録を調査:認定日頃に受診していた医療機関へ、カルテの有無と診断書作成の可否を確認します。初診時の医療機関が別なら、初診日の証明資料も準備します。
STEP4 書類を整合:診断書、受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書の年月日や病状が矛盾しないようにします。現在重いという事実だけで、認定日当時の状態を証明できるわけではありません。
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よくあるご質問
Q1. カルテがないと障害年金は絶対に無理ですか
絶対ではありません。初診日と認定日のどの証明が不足するかで対処が異なります。
Q2. 診察券だけで初診日を証明できますか
資料の一つにはなりますが、単独で十分かは個別に判断されます。
Q3. 第三者証明は誰に頼めますか
初診当時の受診を直接知る人などが候補ですが、要件と他資料を確認します。
Q4. 家族の日記で認定日を証明できますか
補足資料にはなり得ますが、通常は診断書の代わりにはなりません。
Q5. 病院が廃院している場合はどうしますか
承継先、保健所等への届出情報、手元資料を順に確認します。
Q6. 今の医師に昔の状態を書いてもらえますか
当時の客観的記録がなければ、過去の現症を医学的に証明することは困難です。
Q7. 遡及が難しくても現在分は請求できますか
現在の状態が基準に該当すれば、事後重症請求を検討できます。
福岡で障害年金の遡及請求を検討している方へ
遡及請求は、福岡市や北九州市、久留米市から相談される方でも、当時の医療記録が残っているかによって準備方法が大きく変わります。あひる社会保険労務士法人では、代表社労士・野田大吾郎をはじめ障害年金を扱うスタッフが、初診日、障害認定日、時効、診断書の取得可能性を順に確認します。福岡市中央区平尾の本社、西鉄平尾駅徒歩3分の相談場所、JR博多駅直結徒歩1分の相談会場のほか、電話・LINE・オンラインでも相談できます。
最終更新日 4日 ago
投稿者プロフィール

- 特定社会保険労務士_全国社会保険労務士連合会 第40190102号
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障害年金は、身体障害をはじめ、知的障害、うつ病・統合失調症などの精神疾患、ガン・脳血管疾患・心疾患・糖尿病など、ケガや病気により生活や仕事に不自由のある方を対象とした制度です。
しかしながら、本来であれば受け取る権利があるにもかかわらず、認知度の低さや受給手続きの複雑さから途中で手続きをあきらめてしまったりなど、「障害年金制度」の役割を果たせておらず、多くの方々が受給に至っていないのが現状です。
そこで『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
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もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。
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