閉塞性動脈硬化症(ASO)で障害年金は受給できる?【社労士が解説】
「閉塞性動脈硬化症(ASO)でも障害年金を受給できますか?」
「歩くと足が痛みますが、どの程度なら対象になりますか?」
「血管の手術や足の切断をした場合、何級になりますか?」
閉塞性動脈硬化症では、間欠性跛行や安静時の痛み、足の潰瘍・壊死などによって生活や仕事が大きく制限されることがあります。障害年金は病名だけで決まらず、治療後も残る下肢の機能障害や欠損、日常生活への影響を基に判断されます。
✅ この記事で分かること
- 閉塞性動脈硬化症で障害年金を受給できる可能性
- ASOで確認される下肢障害と等級の考え方
- 間欠性跛行や歩行距離を伝える際のポイント
- 血管内治療・バイパス術・切断後の注意点
- 初診日と診断書で確認したい内容
💡 この記事の結論
閉塞性動脈硬化症(ASO)でも、下肢の障害が認定基準に該当すれば障害年金を受給できる可能性があります。ただし、ASOと診断されたことや血管の手術を受けたことだけで、一定の等級になるわけではありません。
歩行能力、下肢の筋力や動作、安静時疼痛、潰瘍・壊死、切断した部位、補助具の使用状況を確認します。初診日に国民年金と厚生年金のどちらへ加入していたかによって、対象となる等級も異なります。
閉塞性動脈硬化症(ASO)で障害年金を受給できる可能性
閉塞性動脈硬化症は、足の動脈が狭くなったり詰まったりして血流が不足する病気です。歩くとふくらはぎなどが痛み、休むと軽くなる間欠 Ring 性跛行のほか、進行すると安静時疼痛や潰瘍、壊死が生じることがあります。
厚生労働省の障害認定基準では、動脈硬化性末梢動脈閉塞症によって運動障害が生じている場合、肢体の障害の認定要領により判断するとされています。
したがって、血管の狭窄率や治療歴だけではなく、実際に足をどの程度使えるか、日常生活と労働がどの程度制限されているかが重要です。
ASOの障害年金で確認される等級の考え方
ASOには「診断されれば3級」という一律の基準はありません。下肢の機能障害や切断後の状態を、肢体の障害の基準に照らして総合的に確認します。
| 主な状態 | 確認されるポイント |
|---|---|
| 歩行時の痛み | 連続して歩ける距離、休憩回数、杖や車いすの使用、屋内外の移動 |
| 下肢機能の低下 | 立つ、歩く、階段を上る・下りる動作、筋力、関節運動、介助の必要性 |
| 潰瘍・壊死・安静時疼痛 | 治療の継続状況、外出・睡眠・日常生活への影響、合併症 |
| 足趾・足・下肢の切断 | 切断部位、片側か両側か、義足の使用状況、残存機能 |
| 就労への影響 | 立ち仕事や移動の制限、短時間勤務、欠勤、職場の配慮 |
切断した場合は切断部位が重要
ASOの悪化により足を切断した場合は、切断した位置による欠損障害の基準を確認します。たとえば、片方の下肢を足関節以上で欠く状態は2級、片方の下肢をリスフラン関節以上で失った状態は障害厚生年金3級として例示されています。
3級は障害厚生年金にのみ設けられています。そのため、同じ身体状態でも、初診日に加入していた年金制度によって請求できる等級が異なる点に注意が必要です。
間欠性跛行の歩行距離だけで等級は決まらない
「100メートルしか歩けない」などの歩行距離は重要な情報ですが、距離だけで障害等級が自動的に決まるものではありません。痛みが出るまでの時間、休憩後に再び歩けるか、屋内移動や階段、買い物、通勤にどのような支障があるかまで具体化しましょう。
血管内治療やバイパス術を受けても自動認定ではない
カテーテル治療、ステント留置、人工血管を使ったバイパス術を受けても、手術の事実だけで障害年金の等級が決まるわけではありません。治療によって歩行能力が改善している場合もあれば、再狭窄、疼痛、潰瘍などが残る場合もあるため、障害認定日時点の状態が確認されます。
また、ASOの血管内治療日やバイパス手術日が、自動的に障害認定日になるという特例はありません。原則として初診日から1年6か月を経過した日を確認し、切断した場合などは別途、認定時期の取扱いを検討します。
閉塞性動脈硬化症の申請で重要な初診日と診断書
初診日は手術日とは限らない
初診日は、原則として請求の原因となるASOについて初めて医師の診療を受けた日です。手術を受けた日やASOの確定診断日と一致するとは限りません。
糖尿病、高血圧、腎疾患などを以前から治療している場合でも、それらの初診日が当然にASOの初診日になるわけではありません。医学的な相当因果関係を含めて個別に確認する必要があります。
診断書では具体的な動作を伝える
下肢の機能障害や切断を中心に請求する場合は、肢体の障害用診断書が候補になります。日本年金機構も、使用する診断書の種類や記入する症状の日付について、作成前に年金事務所等へ相談するよう案内しています。
肢体の障害用診断書の案内を確認し、次の内容を医師へ具体的に伝えましょう。
- 痛みが出るまでに連続して歩ける距離と時間
- 屋内・屋外歩行、立ち上がり、階段の状態
- 杖、歩行器、義足、車いすの使用状況
- 安静時疼痛、潰瘍、壊死、処置や通院の頻度
- 家事、買い物、通勤、仕事内容への具体的な制限
よくあるご質問
Q1.ASOと診断されれば障害年金を受給できますか?
診断名だけでは受給は決まりません。治療後も残る歩行障害、下肢機能、切断部位、日常生活や労働への制限が認定基準に該当するかを確認します。
Q2.間欠性跛行があれば対象になりますか?
対象となる可能性はありますが、歩行距離だけで等級は決まりません。休憩の必要性、補助具、屋内外の移動、階段、通勤などへの影響を含めて判断されます。
Q3.足を切断した場合は何級ですか?
切断した部位と範囲によって異なります。片方の下肢を足関節以上で欠く場合は2級、リスフラン関節以上で失った場合は障害厚生年金3級として例示されています。
Q4.ステントを入れたら障害厚生年金3級ですか?
ステント留置だけで3級になる基準ではありません。治療後に残る下肢の機能障害や切断、労働への制限を確認します。
Q5.働きながらでも申請できますか?
就労中でも申請できます。仕事内容、移動量、勤務時間、欠勤、座り仕事への変更、職場の配慮など、実際の働き方を診断書や申立書と整合させることが重要です。
Q6.糖尿病もある場合、初診日はいつですか?
糖尿病の初診日がそのままASOの初診日になるとは限りません。診療経過と医学的な関係を確認し、受診状況等証明書などの資料を整理します。
Q7.どの診断書を使えばよいですか?
下肢機能や切断が中心なら、肢体の障害用診断書が候補です。症状や請求内容により異なる可能性があるため、医師へ依頼する前に年金事務所や専門家へ確認しましょう。
福岡でASOによる障害年金を相談したい方へ
あひる社会保険労務士法人では、社会保険労務士の野田大吾郎を中心に、閉塞性動脈硬化症による障害年金申請をサポートしています。
本社は福岡市中央区平尾2-3-24 ビバーン平尾2F(西鉄平尾駅徒歩3分)、相談会場は福岡市博多区博多駅中央街8-1 JRJP博多ビル3F(JR博多駅直結徒歩1分)です。初回相談は無料です。
報酬は受給決定後の障害年金2か月分です。初回に数か月分が入金されるため、持ち出しは原則ありません。不支給の場合は報酬をいただきません。
最終更新日 6日 ago
投稿者プロフィール

- 特定社会保険労務士_全国社会保険労務士連合会 第40190102号
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障害年金は、身体障害をはじめ、知的障害、うつ病・統合失調症などの精神疾患、ガン・脳血管疾患・心疾患・糖尿病など、ケガや病気により生活や仕事に不自由のある方を対象とした制度です。
しかしながら、本来であれば受け取る権利があるにもかかわらず、認知度の低さや受給手続きの複雑さから途中で手続きをあきらめてしまったりなど、「障害年金制度」の役割を果たせておらず、多くの方々が受給に至っていないのが現状です。
そこで『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。
もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。
そして、障害年金の受給へ向けて一緒に考えていきましょう!
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