脳血管障害の障害認定日|6か月経過後の特例と条件【社労士が解説】
「脳梗塞や脳出血は、発症から6か月で障害年金を申請できますか?」
「リハビリを続けていても、障害認定日の特例は使えますか?」
「主治医には、何を確認すればよいのでしょうか?」
障害年金の障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。しかし、脳血管障害で機能障害が残った場合は、一定の条件を満たせば、初診日から6か月を経過した日以後を障害認定日として扱う例外があります。
✅ この記事で分かること
- 脳血管障害の障害認定日の原則
- 初診日から6か月経過後の例外が認められる条件
- 6か月経過だけでは申請時期を決められない理由
- 主治医への確認事項と診断書準備のポイント
- 例外が使えない場合の請求時期
💡 この記事の結論
脳血管障害では、初診日から6か月を経過した日以後に、医学的な観点からそれ以上の機能回復がほとんど望めないと認められれば、原則の1年6か月前でも障害認定日となる可能性があります。
ただし、「6か月たった」という期間だけで自動的に適用される制度ではありません。後遺症の経過、リハビリによる回復可能性、主治医の医学的判断を確認し、障害認定日と診断書の現症日を適切にそろえることが重要です。
脳血管障害の障害認定日は原則1年6か月後
障害認定日とは、障害の程度を認定する基準日です。厚生労働省の障害認定基準では、原則として、障害の原因となった傷病の初診日から1年6か月を経過した日とされています。
初診日は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など、障害の原因となった傷病について初めて医師の診療を受けた日です。発症日、退院日、リハビリ病院への転院日から6か月を数えるわけではありません。
| 確認する日 | 障害年金での考え方 |
|---|---|
| 発症日 | 受診日と同じとは限らない |
| 初診日 | 原因傷病について初めて診療を受けた日。6か月・1年6か月を数える起点 |
| 転院日 | 通常は初診日ではなく、期間計算の起点にもならない |
| 障害認定日 | 障害状態を評価する基準日。原則は初診日から1年6か月後 |
初診日から6か月経過後の例外が認められる条件
障害認定基準は、神経系の障害について、一定の状態であれば初診日から1年6か月を経過する前でも障害認定日として取り扱うと定めています。脳血管障害の場合は、次の2点がポイントです。
- 脳血管障害により機能障害が残っていること
- 初診日から6か月を経過した日以後に、それ以上の機能回復がほとんど望めないと医学的に認められること
つまり、6か月は「必ず障害認定日になる日」ではなく、早期認定を検討できる最も早い時期です。6か月時点で回復の可能性が残っていれば、その日を障害認定日とすることは難しく、後日あらためて医学的な状態を確認することがあります。
リハビリ中でも一律に対象外ではない
リハビリを継続しているだけで、例外が必ず否定されるわけではありません。維持目的の訓練を続けている場合もあるためです。一方、訓練によって麻痺や歩行能力、上肢機能などの改善が見込まれている段階では、機能回復がほとんど望めないとは判断されにくいことがあります。
「症状固定」と治療終了は同じではない
通院や服薬、再発予防、リハビリが続いていても、機能障害について医学的な固定性が認められる場合があります。反対に、退院した、急性期治療が終わったという事実だけで、障害年金上の「治った日」や早期の障害認定日が決まるわけではありません。
6か月経過後の例外を検討しにくいケース
| 状況 | 注意点 |
|---|---|
| 初診日から6か月たっただけ | 期間の経過だけでは足りず、医学的判断が必要 |
| 機能が改善中、または状態が変動中 | 回復可能性を見極めるため、経過観察が必要になることがある |
| 主治医が回復見込みを判断できない | 早期の障害認定日を裏付けることが難しい |
| 初診日が未整理 | 6か月の起点を誤ると、診断書の対象時期もずれる |
| 現在の状態しか診断書で示せない | 希望する障害認定日頃の状態を証明できるか確認が必要 |
申請前に主治医へ確認したいこと
「6か月で症状固定と書いてください」と結論を求めるのではなく、後遺症の経過と医学的な見通しを確認します。主治医に伝えるときは、次の内容を整理しておくとよいでしょう。
- 発症から現在までの治療・転院・リハビリの経過
- 麻痺、失語症、高次脳機能障害などの変化
- 今後、機能回復がどの程度見込まれるか
- 食事、着替え、入浴、歩行、外出などで必要な介助
- 復職の可否、職場の配慮、勤務時間や仕事内容の制限
片麻痺などを請求する場合は、通常、肢体の障害用診断書を検討します。失語症や高次脳機能障害などが重なっている場合は、別の様式も必要になることがあります。診断書を取得する前に、年金事務所または障害年金に詳しい社会保険労務士へ確認すると安心です。
6か月経過後の例外を使う申請の流れ
- 初診日を確定する:救急搬送先や発症前の関連受診を確認します。
- 6か月経過日を確認する:発症日や転院日ではなく、初診日から数えます。
- 回復可能性を主治医へ確認する:機能回復がほとんど望めないと判断できる時期を確認します。
- 診断書の種類と現症日を確認する:希望する障害認定日の状態を示せるか確認します。
- 生活・就労状況を整理する:日常生活動作、介助、仕事上の制限を申立書に反映します。
早期の障害認定日で要件を満たさない場合でも、原則の初診日から1年6か月後に請求できる可能性があります。また、障害認定日には等級に該当せず、その後に悪化した場合は、事後重症による請求を検討します。
よくあるご質問
Q1.脳梗塞は発症から6か月で必ず申請できますか?
いいえ、必ずではありません。初診日から6か月を経過した日以後に、それ以上の機能回復がほとんど望めないと医学的に認められる必要があります。
Q2.6か月は発症日から数えますか?
原則として初診日から数えます。発症日と最初の受診日が異なる場合は、両者を区別してください。
Q3.6か月を経過した日そのものが障害認定日ですか?
自動的にその日になるわけではありません。6か月経過後、機能回復がほとんど望めないと医学的に認められる時点を個別に検討します。
Q4.リハビリ中でも特例を利用できますか?
利用できる可能性はあります。リハビリの有無だけでなく、その目的、改善状況、今後の回復見込みを踏まえて判断されます。
Q5.退院した日が障害認定日になりますか?
退院日だけでは決まりません。退院や転院の時期と、機能回復がほとんど望めないと医学的に認められる時期は別に確認します。
Q6.6か月時点で例外が使えないと申請できませんか?
申請の可能性がなくなるわけではありません。原則の初診日から1年6か月後の障害認定日、またはその後に悪化した時点での事後重症請求を検討できます。
Q7.主治医が特例を知らない場合はどうすればよいですか?
障害認定基準の該当箇所を示し、回復の見通しについて医学的な意見を確認します。診断書の依頼前に、年金事務所や社会保険労務士へ相談する方法もあります。
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報酬は受給決定後の障害年金2か月分です。初回に数か月分が入金されるため、持ち出しは原則ありません。不支給の場合は報酬をいただきません。
最終更新日 6日 ago
投稿者プロフィール

- 特定社会保険労務士_全国社会保険労務士連合会 第40190102号
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障害年金は、身体障害をはじめ、知的障害、うつ病・統合失調症などの精神疾患、ガン・脳血管疾患・心疾患・糖尿病など、ケガや病気により生活や仕事に不自由のある方を対象とした制度です。
しかしながら、本来であれば受け取る権利があるにもかかわらず、認知度の低さや受給手続きの複雑さから途中で手続きをあきらめてしまったりなど、「障害年金制度」の役割を果たせておらず、多くの方々が受給に至っていないのが現状です。
そこで『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
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