脳梗塞の片麻痺|障害年金診断書の重要ポイントを社労士が解説

「片麻痺の状態を診断書に正しく書いてもらえるか不安です」

「杖や装具を使えば歩ける場合、どのように評価されますか?」

「利き手が麻痺して生活に困っていることを、医師へどう伝えればよいですか?」

脳梗塞による片麻痺では、一般に「肢体の障害用」の診断書を使用します。麻痺の部位や筋力だけでなく、着替え、歩行、階段昇降など、日常生活の不自由も重要です。

✅ この記事で分かること

  • 脳梗塞の片麻痺で使用する診断書
  • 麻痺の部位・関節可動域・筋力の確認ポイント
  • 診断書の日常生活動作で評価される内容
  • 杖、装具、車椅子や家族の介助の伝え方
  • 診断書を医師へ依頼する前の準備

💡 この記事の結論

脳梗塞の片麻痺では、麻痺の強さだけでなく、関節可動域、筋力、巧緻性、動作の速さ・耐久性、日常生活動作を診断書へ正確に反映することが重要です。

左右両側の測定、補助用具なしの日常生活動作、補助具の使用状況、介助が必要な場面、労働能力を確認します。診察室で短時間歩けても、家庭や屋外での困難が伝わるとは限りません。

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脳梗塞の片麻痺では肢体の障害用診断書を使用する

脳梗塞で上肢・下肢に麻痺が残った場合は、通常、日本年金機構の「肢体の障害用の診断書」を使用します。上肢と下肢へ広範囲に障害がある場合は、「肢体の機能の障害」として総合的に認定されます。

厚生労働省の障害認定基準では、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作から身体機能を総合的に認定するとされています。そのため、画像検査の結果や病名だけではなく、片麻痺によってどの動作がどれほど制限されているかが大切です。

片麻痺の診断書で確認したい7つのポイント

1.傷病名・初診日・現症日

原因となった脳梗塞の傷病名、初めて医師の診療を受けた日、診断書が示す状態の日付を確認します。初診日や現症日の誤りは、障害認定日や請求方法の判断にも影響する可能性があります。

2.麻痺の部位・種類・程度

診断書の「切断又は離断・変形・麻痺」欄では、運動麻痺と感覚麻痺の部位、左右、麻痺の外観、起因部位、反射などを確認します。右半身・左半身のどこに麻痺があるか、上肢と下肢の状態が分かる記載になっているかがポイントです。

3.握力・関節可動域・筋力

肩、肘、前腕、手首、股、膝、足首などについて、左右の関節可動域と筋力を記載します。片麻痺の場合、患側だけでなく健側の記載も重要です。診断書の記載要領でも、健側と患側を比較する場合があるため、左右どちらも記入するよう示されています。

物をつかみにくい、動作が遅い、反復すると続かないといった巧緻性・速さ・耐久性も判断材料になります。

4.手指・上肢の日常生活動作

診断書では、つまむ、握る、タオルを絞る、ひもを結ぶ、さじで食事をする、顔を洗う、用便の処置、上衣の着脱などを確認します。片手だけで行う動作と、両手を使う動作の両方があります。

非麻痺側で代替できても、時間がかかる、失敗が多い、手伝いが必要といった実態を伝えます。利き手側の麻痺は、食事、整容、書字への影響も整理します。

5.立位・歩行・階段の日常生活動作

下肢については、片足で立つ、座る、立ち上がる、屋内・屋外を歩く、階段を上る・下りるといった動作が確認されます。診断書上の日常生活動作は、原則として補助用具を使用しない状態で判断します。

区分 診断書上の考え方
一人でうまくできる
○△ 一人でできても、やや不自由
△× 一人でできるが、非常に不自由
× 一人では全くできない

可否だけでなく、安全性、所要時間、転倒の危険、動作を繰り返せるかも整理します。

6.杖・装具・車椅子などの補助用具

日常生活動作の判定とは別に、上肢・下肢装具、杖、松葉杖、車椅子、歩行車などの使用状況を記載する欄があります。常時使用しているか、屋外や長距離移動時だけ使用するかなど、実際の使い方を具体的に確認します。

補助具なしでの状態と、補助具を使った実生活の状態を分けて伝えることが重要です。

7.日常生活能力・労働能力・予後・備考

診断書には、現症時の日常生活活動能力と労働能力、今後の予後を記載する欄があります。仕事をしている場合は、短時間勤務、配置転換、片手でできる業務への限定、通勤介助、欠勤や休憩などの配慮も伝えます。

転倒、疲労、動作の遅さ、家族の介助などは、備考欄や病歴・就労状況等申立書でも補足します。

診断書と生活状況のずれを防ぎましょう

麻痺の状態、補助具、家族の介助、就労上の配慮を一緒に整理します。

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片麻痺の診断書を医師へ依頼する前の準備

診察時間だけでは日常生活のすべてが伝わらない場合があります。依頼前に、次の内容をメモにまとめましょう。

  • 屋内と屋外で歩ける距離、転倒やふらつきの頻度
  • 杖、装具、車椅子を使う場所と時間
  • 食事、着替え、入浴、排泄で必要な介助
  • 一人でできても時間がかかる動作や失敗する動作
  • 麻痺側が利き手だった場合の変化
  • 仕事の内容、勤務時間、職場から受けている配慮

等級を指定して依頼するのではなく、普段の状態を伝え、診断書と実態に食い違いがないか確認します。日本年金機構も、診断書作成前に年金事務所等へ相談するよう案内しています。

失語症や高次脳機能障害も残っている場合

脳梗塞では、片麻痺に加えて失語症、記憶障害、注意障害、遂行機能障害などが残ることがあります。肢体の障害用診断書だけでは、これらの支障を十分に表せない可能性があります。

後遺症の内容によっては、言語機能用や精神の障害用など、別の診断書をあわせて検討します。使用する様式は自己判断せず、主治医、年金事務所、障害年金に詳しい社会保険労務士へ確認しましょう。

よくあるご質問

Q1.片麻痺なら必ず肢体の障害用診断書ですか?

通常は肢体の障害用診断書を検討します。ただし、失語症や高次脳機能障害などが重なる場合は、後遺症に応じて別の診断書が必要になることがあります。

Q2.杖を使えば歩ける場合も申請できますか?

申請を検討できます。杖なしでの動作と、杖を使用した実生活の状況を分けて確認し、歩行距離、転倒リスク、屋外移動などを具体的に伝えます。

Q3.診察室で歩けると軽く判断されますか?

診察室での一場面だけで決まるわけではありません。関節可動域や筋力のほか、屋内外の歩行、立ち上がり、階段、耐久性などが総合的に確認されます。

Q4.非麻痺側の手で食事ができれば問題ありませんか?

単に食事ができるかだけではありません。動作の速さ、こぼす頻度、食器の固定、両手動作の困難、介助の有無など、実際の不自由を整理します。

Q5.家族の介助はどのように伝えますか?

介助が必要な動作と頻度を具体化します。入浴時の見守り、着替えの手伝い、屋外歩行への付き添いなどを医師へ伝え、申立書にも反映します。

Q6.仕事をしていると障害年金は受給できませんか?

働いていることだけで対象外になるわけではありません。仕事内容、勤務時間、片手作業への変更、通勤や休憩への配慮など、実際の就労制限を確認します。

Q7.完成した診断書は確認してもよいですか?

提出前に記載漏れや事実関係を確認しましょう。空欄、左右の記載、現症日、補助具、日常生活能力・労働能力、予後などを確認し、疑問があれば医療機関へ丁寧に問い合わせます。

福岡で脳梗塞の片麻痺による障害年金を相談したい方へ

あひる社会保険労務士法人では、社会保険労務士の野田大吾郎を中心に、脳梗塞の片麻痺による障害年金申請をサポートしています。福岡市、北九州市、久留米市などにお住まいの方からのご相談にも対応しています。

本社は福岡市中央区平尾2-3-24 ビバーン平尾2F(西鉄平尾駅徒歩3分)、相談会場は福岡市博多区博多駅中央街8-1 JRJP博多ビル3F(JR博多駅直結徒歩1分)です。初回相談は無料です。

報酬は受給決定後の障害年金2か月分です。初回に数か月分が入金されるため、持ち出しは原則ありません。不支給の場合は報酬をいただきません。

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最終更新日 6日 ago

投稿者プロフィール

野田 大吾郎(特定社会保険労務士)
野田 大吾郎(特定社会保険労務士)特定社会保険労務士_全国社会保険労務士連合会 第40190102号
障害年金は、身体障害をはじめ、知的障害、うつ病・統合失調症などの精神疾患、ガン・脳血管疾患・心疾患・糖尿病など、ケガや病気により生活や仕事に不自由のある方を対象とした制度です。
しかしながら、本来であれば受け取る権利があるにもかかわらず、認知度の低さや受給手続きの複雑さから途中で手続きをあきらめてしまったりなど、「障害年金制度」の役割を果たせておらず、多くの方々が受給に至っていないのが現状です。

そこで『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。

もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。
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