脳梗塞後の高次脳機能障害|障害年金の認定基準を社労士が解説

「脳梗塞後、物忘れやミスが増えて仕事に戻れません」

「身体は動くため、障害年金の対象にならないのでしょうか?」

「本人には困っている自覚が乏しく、家族が申請できるか悩んでいます」

脳梗塞後の高次脳機能障害により、日常生活や仕事が継続的に制限されている場合は、障害年金を受給できる可能性があります。外見から分かりにくいため、診断名だけでなく、必要な援助や具体的な失敗を診断書と申立書へ反映することが大切です。

✅ この記事で分かること

  • 脳梗塞後の高次脳機能障害が障害年金の対象となる条件
  • 記憶・注意・遂行機能・社会的行動障害の具体例
  • 障害年金1級・2級・3級の認定基準
  • 精神の障害用診断書で確認される内容
  • 家族や職場から見た支障を伝える方法

💡 この記事の結論

脳梗塞後の高次脳機能障害は、身体の麻痺が軽くても、認知障害や人格変化などにより日常生活・就労が制限されていれば障害年金の対象となる可能性があります。

等級は検査結果だけで決まらず、食事、金銭管理、通院、対人関係、安全管理、社会的手続き、仕事で必要な援助などを総合して判断します。本人が支障を自覚しにくい場合は、家族や職場から見た具体的な状況も重要です。

高次脳機能障害の受給可能性を確認しませんか?

ご本人とご家族から状況を伺い、必要書類と申請方法を整理します。

電話で無料相談 0120-70-8633LINEで相談する

脳梗塞後の高次脳機能障害も障害年金の対象になる

厚生労働省の障害認定基準では、高次脳機能障害を、脳損傷に起因する認知障害全般で、日常生活または社会生活に制約があるものとしています。

障害年金上は「症状性を含む器質性精神障害」として、認知障害、人格変化、精神神経症状と生活への影響を評価します。脳の器質障害は症状が多岐にわたるため、精神障害と神経障害を単純に分けず、全体像から総合的に判断されます。

高次脳機能障害の主な症状

症状 生活・仕事で現れやすい支障の例
記憶障害 予定や指示を忘れる、同じ質問を繰り返す、服薬管理ができない
注意障害 集中が続かない、見落としやミスが増える、複数作業に対応できない
遂行機能障害 計画を立てられない、手順変更に対応できない、家事や仕事を完了できない
社会的行動障害 感情を抑えにくい、場に合わない発言や行動がある、対人関係を保てない
失行・失認 道具の使い方や一連の動作が分からない、物や人を正しく認識しにくい

症状の現れ方には個人差があります。病名に当てはめるだけでなく、発症前にはできていたことが、現在どのように難しくなったかを整理しましょう。

高次脳機能障害で認定される障害年金の等級

認定基準で示されている等級の目安は次のとおりです。

等級 認定基準の考え方
1級 高度の認知障害、人格変化、その他の高度な精神神経症状が著明で、常時の援助が必要
2級 認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明で、日常生活が著しい制限を受ける
3級 精神神経症状により労働が制限される、または認知障害により労働が著しい制限を受ける

障害基礎年金には1級・2級があり、障害厚生年金には1級・2級・3級があります。どちらになるかは、原則として脳梗塞の初診日に加入していた年金制度で決まります。症状名だけで等級が決まるわけではありません。

働いていても一律に対象外ではない

就労している事実だけで、直ちに障害が軽いと判断されるわけではありません。単純作業への変更、短時間勤務、指示の反復、同僚の確認、ミス防止の見守り、欠勤など、実際の仕事と援助の内容を確認します。

見えにくい生活・就労上の支障を整理します

ご家族の観察や職場の配慮も含め、申請書類に反映する内容を確認します。

電話で無料相談 0120-70-8633LINEで相談する

高次脳機能障害の診断書で重要なポイント

高次脳機能障害を中心に請求する場合は、一般に日本年金機構の「精神の障害用の診断書」を検討します。診断書には、高次脳機能障害として失行、失認、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害を確認する欄があります。

日常生活能力は単身生活を想定して判断する

診断書では、日常生活能力について、単身で生活するとしたら可能かどうかを基準に判断します。家族が食事を準備し、服薬や金銭を管理しているため生活できている場合、その援助を外した状態を医師へ伝えることが重要です。

  • 適切な食事
  • 身辺の清潔保持
  • 金銭管理と買い物
  • 通院と服薬
  • 他人との意思伝達・対人関係
  • 身辺の安全保持・危機対応
  • 社会性

検査結果と具体的な生活状況を結び付ける

診断書には心理テスト・認知検査、神経学的所見、現在の就労状況を記載する欄があります。検査結果だけでなく、「火を消し忘れる」「同じ商品を何度も買う」「一人で公共交通機関を使えない」など、生活上の支障と結び付けて伝えます。

家族から見た情報も医師へ伝える

ご本人が障害を十分に自覚できない場合や、困っていることを整理して説明できない場合があります。家族が発症前後の変化、失敗、見守り、声掛けの頻度を記録し、診察時に共有すると実態を伝えやすくなります。

片麻痺や失語症を併発している場合の注意点

脳梗塞後に片麻痺がある場合は肢体の障害用診断書、失語症がある場合は音声・言語機能の障害に応じた診断書も検討します。どの診断書を使うかは、後遺症の内容と請求方法により異なります。

複数の後遺症があるときは、高次脳機能障害だけでなく、身体機能や言語機能を含む全体像を整理します。診断書を医師へ依頼する前に、年金事務所や障害年金に詳しい社会保険労務士へ確認すると安心です。

脳梗塞後の高次脳機能障害で申請する流れ

  1. 初診日を確認する:救急搬送先や脳梗塞前の関連受診を整理します。
  2. 申請時期を確認する:原則の障害認定日と、6か月経過後の例外を検討します。
  3. 使用する診断書を決める:高次脳機能障害、片麻痺、失語症を漏れなく確認します。
  4. 生活・就労状況を記録する:家族の援助や職場の配慮を具体化します。
  5. 診断書と申立書を確認する:病歴、症状、生活状況に食い違いがないか確認します。

よくあるご質問

Q1.身体の麻痺がなくても障害年金の対象になりますか?

対象となる可能性があります。記憶障害や注意障害などにより、日常生活または社会生活が制限されているかが重要です。

Q2.認知機能検査の点数だけで等級が決まりますか?

検査結果だけでは決まりません。症状、治療経過、具体的な生活状況、必要な援助、就労状況などから総合的に判断されます。

Q3.家族と同居して普通に暮らせていれば対象外ですか?

同居している事実だけでは判断できません。食事、服薬、金銭、安全管理などを家族がどれほど支えているかを確認します。

Q4.高次脳機能障害ではどの診断書を使いますか?

一般に精神の障害用診断書を検討します。片麻痺や失語症などがある場合は、別の診断書も必要になる可能性があります。

Q5.仕事に復帰していても申請できますか?

申請を検討できます。仕事内容、勤務時間、ミスの頻度、職場の援助や配慮、休職・欠勤などの実態を整理します。

Q6.本人に障害の自覚がない場合はどうしますか?

家族や支援者から見た変化が重要です。発症前後の違い、具体的な失敗、見守りや声掛けの内容を記録し、医師へ共有します。

Q7.発症から6か月で申請できますか?

6か月の経過だけでは足りません。初診日から6か月経過後に、それ以上の機能回復がほとんど望めないと医学的に認められるかを確認します。

福岡で高次脳機能障害の障害年金を相談したい方へ

あひる社会保険労務士法人では、社会保険労務士の野田大吾郎を中心に、脳梗塞後の高次脳機能障害による障害年金申請をサポートしています。福岡市、北九州市、久留米市などからのご相談にも対応しています。

本社は福岡市中央区平尾2-3-24 ビバーン平尾2F(西鉄平尾駅徒歩3分)、相談会場は福岡市博多区博多駅中央街8-1 JRJP博多ビル3F(JR博多駅直結徒歩1分)です。初回相談は無料です。

報酬は受給決定後の障害年金2か月分です。初回に数か月分が入金されるため、持ち出しは原則ありません。不支給の場合は報酬をいただきません。

高次脳機能障害の申請をご相談ください

見えにくい症状とご家族の援助を整理し、申請書類へ反映します。

電話で無料相談 0120-70-8633LINEで相談する

最終更新日 6日 ago

投稿者プロフィール

野田 大吾郎(特定社会保険労務士)
野田 大吾郎(特定社会保険労務士)特定社会保険労務士_全国社会保険労務士連合会 第40190102号
障害年金は、身体障害をはじめ、知的障害、うつ病・統合失調症などの精神疾患、ガン・脳血管疾患・心疾患・糖尿病など、ケガや病気により生活や仕事に不自由のある方を対象とした制度です。
しかしながら、本来であれば受け取る権利があるにもかかわらず、認知度の低さや受給手続きの複雑さから途中で手続きをあきらめてしまったりなど、「障害年金制度」の役割を果たせておらず、多くの方々が受給に至っていないのが現状です。

そこで『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。

もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。
そして、障害年金の受給へ向けて一緒に考えていきましょう!
ご相談のご予約
0120-70-8633

24時間365日年中無休 土日祝も対応
(担当者不在の場合はご用件のみ承り、
順次折り返しご連絡いたします。)